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アトピー性皮膚炎とは




　　アトピー性皮膚炎とは、

　　　「強い掻痒を伴う湿疹が増悪・寛解を繰り返す慢性の炎症性皮膚疾患」　です。

　　　・患者さんの多くは　「アトピー素因」　を持ちます。
　　　・多くは乳児期に発症し、半数は寛解しますが、重症例では寛解しにくい傾向がみられます。
　　　・乾燥しやすい冬と、夏など汗をかきやすい時期に悪化しやすくなります。

疫学・好発




　　・乳幼児期から思春期にかけての、アトピー素因を持つ人。
　　・遺伝的要因（特に母親の影響が強い）に環境要因（アレルゲンなど）が加わって発症。

原因・誘因




　　・乳幼児：食物抗原
　　・乳児期以降：環境抗原（ダニ、ハウスダスト）、ストレス

病態生理




　　・皮膚の乾燥とバリア機能の低下により、抗原が侵入しやすくなる。
　　　　⇒抗原に対するI型・Ⅳ型アレルギー（ドライスキン＋アレルギー機序）

皮膚症状




　　・症状は年齢とともに変化するが、一貫して病変部は左右対称で掻痒を伴う
　　・重要な合併症として白内障や網膜剥離などの眼症状、とびひ、カポジ水痘様発疹などがある。


時期 好発部位 皮疹
乳児期 ・頭、顔
・しばしば体、四肢に下降		 湿潤傾向 紅斑は顔や頭部に始まり、体幹へ広がる。
湿潤傾向を示す。
幼小児期 ・頸部
・四肢屈曲部		 乾燥傾向 ・皮膚全体が乾燥して光沢と柔軟性を欠く。
・肘、膝裏、脇などに掻痒痕を伴う苔癬化局
面を形成する。
思春期・成人期 ・上半身
（顔、頸部、胸、背、四肢屈曲部）		 乾燥傾向 ・症状は基本的に小児と同じ。
・苔癬化局面がさらに進行拡大する。
・眉毛は外側1/3が薄くなる。
・頸部から上胸部にかけてさざ波様色素沈
着が認められる。


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